リンカートキャブレターの始動方法と調整方法
一般的なリンカートキャブレターのエンジン始動方法(儀式とも呼ばれる)と調整方法についてまとめました。
リンカートキャブレターは個体差が大きいので、進角状態やアクセル状態など、より掛かりやすい方法がある場合もあります。
リンカーとキャブレターは火災の発生しやすいキャブレターですのでオーバーフローが発生している場合は修理してから乗りましょう!
リンカートキャブレターの始動方法(儀式)
- キーをOFFの状態にします。
- チョークの状態を確認して、通常状態だったらチョークレバーを倒してチョークONの状態にします。
- アクセルを全開にして、キックを2, 3回します。すると、ボウルの上部からガソリンが吹き出ます。
- チョークレバーを起こして通常走行状態にします。(個体によっては3分の1位チョーク状態の方が良い場合があります)
- タイマーを時計と逆方向に回転して進角いっぱい状態にして少しだけ戻します。(ケッチンが強い場合は真ん中より少し進角状態にしてください)
- キーをONにします。
- アクセルを3分の1から半分位の状態でキックします。(キックと同時にアクセルをあおるのもあり)
<< 通常走行状態 >>
<< チョークレバーを倒した状態(チョークON) >>
バッテリー点火方式で、キックを10回してもエンジンが掛からない場合、何か操作を間違えているか、不具合があると思ってください。
エンジンが掛からない場合、最低限、上から順に以下の3点を確認してください。
- ガソリンが来ているか。
- バッテリーは正常か。
- 火花は飛んでいるか。
- プラグがガソリンで濡れている場合は乾かしてください。
- 汚れが酷い場合は真鍮ブラシ等で清掃してください。
ガソリンタンクの残量を確認、フューエルコックの状態確認、チョーク状態でキックしてガソリンが吹き出るか確認。
6Vバッテリーの場合は6V以上、12Vバッテリーの場合は12V以上電圧があるか確認。
電源をONの状態でプラグを外してプラグキャップに付けた状態で金属部分に電極を当ててキックし、火花が飛んでいるか確認。
リンカートキャブレターの調整方法
エンジンが掛かった場合の調整方法をまとめました。
弄りすぎて状態が分からない場合はLOWスピードニードル、HIGHスピードニードル共に全閉状態から2回転、反時計回りに回して開いてください。
LOWスピード
徐々に開けてアイドリングが一番高くなる状態を探してください。この状態が基本状態となります。
基本状態でアクセルをゆっくりふかしてキャブがクシャミをしないか確認してください。クシャミをする場合、2,3ノッチずつ開いてください。
アクセルをふかして黒煙が吹き出すと濃すぎの状態となりますので、クシャミがせず、黒煙が出ない状態を探してください。
HIGHスピード
M74Bの場合、メインジェットがあるのでシビアではありません。全閉から2回転の状態が基本状態となります。基本状態で走ってアクセルを大きく開けた際にクシャミをするようなら2,3ノッチずつ開いて調整してください。
プラグの状態
プラグがきつね色に焼けるのが正常です。黒い場合は濃すぎ、白い場合は薄すぎです。
ニードルだけでは調整しきれない場合は、フロートレベルやメインジェットの調整をしてください。
アイドリング調整
アイドルスクリューを閉めるとスロットルディスクが開くのでアイドリングが高くなります。逆に開けるとスロットルディスクが閉まりアイドリングが低くなります。
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