車名ハーレーのリジッドショベルは違法?
ハーレー社は、1957年のパンヘッドを最後にリジットフレームを廃止し、サスペンション付きの4速フレーム、スイングアーム型に変更されました。
そのため、純正のリジットフレームで登録できるのは1957年式までとなります。この場合、車名が「ハーレーダビッドソン」となります。
日本ではサスペンション式のフレームからリジッドフレームへ改造することは法律で禁止されています。
では、ショベルヘッドなど1958年以降の車両でリジットフレームの場合は全て違法なのでしょうか。
いえ、そうではありません。
海外でリジッドフレームに改造した車両を輸入する事は禁止されていないので、登録書類付きの車両を輸入し、日本で登録する事でリジッドフレームの公認扱いとなります。
この場合、車検証の備考欄に「後輪 緩衝装置なし」と記載されます。また、リジットフレームのショベルヘッドなんてハーレーでは販売していないので車名は「不明」となり、フレームに「職権打刻」されます。
俗に言う「リジットショベル」がこれにあたります。
以上の制度が開始されたのが、平成17年(2005年)4月1日より以降に新規登録された車両となります。したがって、
初年度登録が「平成17年(2005年)4月1日以降」でリジッドフレームのハーレーの場合、車検証に「車名:ハーレーダビッドソン」、「車台番号:VINナンバー」、「後輪 緩衝装置なしの記載がない」状態で登録されていたら違法となります。車検は通りません。
しかし、例外があります。
実は、初年度登録が「平成17年(2005年)3月31日以前」であれば、陸運局の検査員の判断で曖昧に登録されてしまったケースが散見されました。
そのため、初年度登録が「平成17年(2005年)3月31日以前」のリジッドフレームのハーレーで、「車名:ハーレーダビッドソン」、「後輪 緩衝装置なしの記載がない」状態で登録されている車両はグレーゾーンとなり、車検は黙認され通ります。
まとめ
車両の年式 | 初年度登録 | 車名 | 車体番号 | 緩衝装置なしの記載 | 車検 |
---|---|---|---|---|---|
1958年以前 | 平成17年3月31日以前 | ハーレーダビッドソン | VIN番号 | なし | 通る |
1958年以前 | 平成17年3月31日以降 | ハーレーダビッドソン | 職権打刻 | あり | 通る |
1958年以降 | 平成17年3月31日以前 | ハーレーダビッドソン | VIN番号 | なし | 通る(グレーゾーン) |
1958年以降 | 平成17年3月31日以降 | ハーレーダビッドソン | VIN番号 | なし | 通らない |
1958年以降 | 平成17年3月31日以降 | 不明 | 職権打刻 | あり | 通る |
グレーゾーンの車両は説明が面倒であったり、リセールバリューに影響したり、今後どうなるか不明なことがありますので、ヴィンテージハーレー初心者の方は、正式な合法の車両を購入しましょう。
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