パンヘッド
ナックルヘッドの後継モデルとして1948年にリリースされたのがパンヘッドです。ハーレー社で初となるアルミヘッドを持ったエンジンと、リア油圧サスペンション、テレスコピック式フロントフォーク、セル搭載など、豊富なラインナップでファンを獲得しました。
大ヒットした映画「イージー・ライダー」に登場してくる2台のチョッパーはこのパンヘッドです。アメリカの古き良き時代、THEアメリカという世界観に一番マッチしているエンジンかもしれません。
名前の由来
エンジン上部(ヘッド)のロッカーカバーの形状がパン(フライパン)を逆さまにしたような形をしていることからパンヘッドと呼ばれるようになりました。
歴史・背景
アメリカやイギリスでは、1940年代ごろまで、ほとんどのバイクのシリンダーヘッドは鋳鉄製でした。一方、ドイツでは早くからアルミを研究し、シリンダーやピストン、シリンダーヘッドにアルミ材を採用してきました。
レースシーンにおいてもBMW社のバイクが首位の座を奪うようになり、BMW社に対して、アメリカ・イギリスのバイクメーカーは技術レベルの低さが目立つようになってきました。
しかし、時は第二次世界大戦を終えたころ、アメリカ・イギリスのバイクメーカーはこぞってBMW社の模倣を始めます。
そうして、ドイツの技術をどんどん吸収し、満を持してアルミヘッドを採用してリリースされたのがパンヘッドとなります。
販売期間
1948年から1965年の17年間販売されました。
種類とモデル
EL |
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FL |
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FLH |
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1948年 | パンヘッド誕生のこの年のモデルのみスプリンガーフォークのまま販売され、希少性が高く「ヨンパチ」の通称で圧倒的な人気を誇る。 |
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1949年 | ハイドラグライドの誕生。油圧式テレスコピック・フォークが採用された。 |
1952年 | ハンドシフトからフットチェンジに変更。ELモデルの販売中止。 |
1955年 | FLH1200の販売開始。FLの圧縮比7.25、FLHの圧縮比8というハイコンプ仕様が販売開始。 |
1958年 |
デュオグライドの誕生。リジットフレームから4速フレームに変更され、油圧ショックアブソーバーを装着した『スイングアーム』式となった。 シリンダーヘッドのフィンが大型化し、エンジンの冷却効果が高まった。 |
1965年 | エレクトラグライドの誕生。セルモーターが搭載され、キック始動から電気式での始動となった。 |
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